規制緩和やメーカーの努力によって、街の中や住宅団地にもログハウスを建てられるようになり、各地で見られるようになってきたのは嬉しい限りです。
○○ハウスや××ホームなど有名住宅メーカーの家々よりはるかに輝いて見えるのは、私のひいき目かもしれませんが・・・。
安い土地をこれから探される場合、「土地について」のページにご案内致しましたように、靴をすり減らす覚悟さえあれば、結構いい土地が随所にあります。
ただ、宅地として造成されたり、直ぐにでも建築出来そうな土地は、相当良い値段になるのが現実です。
現在、私はこんな方法で土地探しのお手伝いをしています。
ねらいは造成地ではなく、雑木林やその周辺などの雑種地で、宅地になると誰も想像出来ないような土地が狙い目です。
まず、施主が希望する地域をある程度絞り込み(小字や校区や集落程度に)、その中で家が建てられそうな場所を探します。それらをゼンリン地図にマークし、何回も見て10~30に絞り込み、さらにABCのランク付けをします。
役所で建築が可能かどうかをまず確認し、法務局に行ってその土地の地番や地主の名前・住所を調べます。そして地主を捜し、売るか否か、売るとすればいくらかを交渉します。(予算はこれだけです。この価格で売るか売らないかの返事を下さい・・・とお願いした方が早く進みます)。
優先順位の順番にこれを繰り返せば、時間と手間は掛かりますが、必ずご希望に叶う土地が予想以上に安く入手出来ます。
この方法ですと、売りに出ている土地の何千倍もの土地が、候補地に成り得ます。
フットワークの良い個人不動産屋さんに依頼するのも一つの方法ですし、仲介者を入れずに自分自身でする事も可能です。
100坪1600万の造成地購入を計画されていた方が、雑木林付き400坪を400万で購入された例もあります。
セルフビルドは別にして、キットや施工などで安くしようと思っても、せいぜい5~10%と限度があります。
その分希望を縮小したり、質が落ちる可能性もあります。
しかし土地の価格は、坪単価数百円から数十万円と幅が広く、望みの条件をいくらか弾力的に考慮されれば、1000万円以上安く、しかも広い土地を購入することは無理な話ではありません。
宮崎市の北部、JR駅から800m、国道10号線から400m。
小学校や中学校にも近く、集落と川の間の広々とした雑木林が、坪数万円で入手出来た例もあります。
施主の熱意と努力によっては、幸運は案外身近にあるものです。
地盤改良費用も土地価格の一部と考え、土地売買契約前に地質調査は是非とも必要です。もし地盤改良が必要なら、その費用分の値引き交渉も可能かも知れません。
また、測量や登記などにも相当な金額が必要ですが、正規の手続きを踏まれて、トラブルの種が残らないよう万全の注意が肝要と思います。
キット価格は、マシンカットの場合で建築費用全体の4~5割前後、ハンドカットの場合は5~6割のケースが多いようです。
キットを少しでも安く買う工夫を列挙してみます。
メーカーお勧めの”モデルプラン”から選ぶ方法は、省力生産によるコスト削減で当然安くなります。キャンペーンと銘打った期間限定商品も同じで、数量限定のケースもあります。
躯体を大きく変える事は出来ませんが、間仕切り壁の移動や部屋の使途変更は十分可能ですので、自分のプランに近い場合は利用価値があります。
ただ、躯体を大きくいじったり追加注文などがあると、フリープランと変わらない価格になる場合もあります。
為替の変動で、100万円位の増減は珍しい事ではありません。
完成希望の時期に余裕があれば、長いスパンでじっくりと円高を待つのも一つの方法です。
時の運不運はありますが、数十万円なら数週間・数日の内に動きます。
輸入の場合も材種は限られています。数種類の中でも、それぞれに材の特性がありますし、好みもありますが、比較してみる価値はあります。ただ、材は安ければいいと言う訳にもいきませんので、慎重に検討されることをお勧め致します。
家の形状によってキット価格は大きく変わります。
ノッチの箇所数が加工費用を左右します。
正方形や長方形で、6ノッチとか9ノッチが当然安くなります。また一階の天井高を一段増減する事でも変わります。
妻壁や小屋(屋根)形状、ドーマー(出窓)の有無と種類でも変わってきます。
どの構法であっても、装飾性や複雑な形を求めると当然高くなります。
家の形状や妻壁によっては、戸や窓の種類や数も、大きく変わってきます。
北米や北欧の戸や窓は、日本の在来住宅と基本的に違う作りです。
観音開き、下開き、横開き、鎧形、固定、片側固定の片引き(片開き)窓などがあり、ターンハンドルで開閉するタイプもあります。色々と比較検討の余地はあります。
尚、日本製のアルミサッシや一般的なドアよりも、ペアガラスで木製やアルミクラッドの輸入建具の方が、機能も良く安いものが多いように思います。
施工に係わる行程を、時系列で並べると以下のようになります。
横や上下にあるものは二つ以上を並行して行う事も多々あります。
図面作成 | 融資相談 | 建築確認申請 |
整地 | 地質調査 | 地盤改良 |
基礎工事 | 給排水工事 | |
荷下ろし | 足場工事 | |
組み上げ | 電気配線工事 | |
屋根工事 | 板金工事 | |
木工事 | 建具工事 | |
内装工事 | 外装工事 | |
設備機器設置 | 給排水工事 | 電気照明工事 |
塗装工事 | コーキング工事 | 外構工事 |
これらの全部あるいは一部をセルフビルドすれば、全体の4~6割を占める施工費用を、安くする事が可能です。
この中で、少なくとも”塗装”は未経験者にでも出来る仕事です。また”組み上げ”の一部に、家族や仲間と参加することも可能です。
その他にも、可能な限り取り組まれることをお勧め致します。
図面作成や建築確認申請は、メーカーや施工業者がすることがほとんどですが、自分でされる方もあります。
整地や地盤改良に予想外の費用が掛かる事がよくあります。
地質調査を必ずされて、整地や地盤改良の見積りを良く検討することが肝腎です。
地盤改良工事は業者によって、工法や費用が大きく異なります。
基礎工事は ”べた基礎” ”布基礎” ”独立基礎” ”これらの複合基礎” に分かれ、価格が違います。高さ、厚み、配筋の径とピッチなどにより、大きな差が出てきます。ただし、地盤と基礎をケチるといい事はありません。欠陥住宅と問題になった家の多くが、ここに起因していると思われます。
都市下水や集落排水等のない地域では、合併浄化槽を設置します。市町村から35~40万円程度の補助がでますが、同額位の費用負担が必要になります。
荷下ろしには、クレーンやユンボを使います。スペースや人員にもよりますが、リースの重機などは効率良く稼働させる事が肝要です。
組み上げは、ハンドカットならクレーンが必要ですが、マシンカットはログの大きさと場所等にもよりますが人力で可能です。材の整理や断熱材のセット、だぼ打ちや電気穴の確認など、女性でも可能な仕事が沢山あります。
屋根工事は傾斜角度、ドーマー・天窓・煙突の有無、形状の複雑さにより違ってきます。また、屋根仕上げ材に何を使うかで大きな差が出ます。高い物程長持ちし、安い物は劣化が早い分短期間で塗り替えが必要になる場合が多いようです。
木工事は、大工さんの腕と性格次第なので、人により良し悪しに大きな差がでます。施主との相性もありますが、自分で選ばれる場合は事前の情報収集が必要です。
(ログハウス建築の経験者が必ず居ないと、大きなトラブルを起こす事は避けられません。ベテランの大工さん程思い込みが強く、ログハウスには不向きなようです。)
ポスト&ビームの場合は、内装と外装を何にするかで価格が大きく違ってきます。板張り・漆喰・漆喰風・擬石・擬レンガやそれらの組合せなどがあります。
水道を遠くから引いたり、道路をまたいで引くと工事費が結構掛かります。
綾町などでは井戸を掘る場合もありますが、鋼管打込みの場合で10m十数万円にポンプ代10万円前後、手掘りとなると1mあたり5万位と予想されます。場所により水脈の深さは当然違いますが、綾町などは浅いと聞きます。
電気配線は、専門家と相談しながら出来る部分もあります。横積の場合は躯体に配線用の縦穴が加工されて来ます。
照明機器は普通、見積りには含まれません。カタログなどを参考に、あちこち足を運んで、現物を見たりして選択する事をお勧めします。インターネットで輸入も簡単に出来ますし、国内外メーカーの製品を相当安くネット販売している会社もあります。照明機器は家の印象を大きく変え、生活の利便性にも係わってきます。努力次第で、いい物を安く入手でき、家の質を上げることができます。
弊社では、照明機器2社から照明プランを出してもらい、それを叩き台にして施主と検討を重ねます。そして照明機器も見積りに含めます。
塗装・コーキング・外構工事などは、基本的には自分達で楽しみながら出来る部分だと思います。
システムバス ・ システムキッチン ・ 洗面台 ・ トイレ ・ 給湯器 が主なものです。
トータルすると 100万 ~ 500万円 と大きな開きがあります。
設備機器をキットと一緒に輸入することも可能ですし、ホームセンターなどにも多くの商品が並んでいます。
ショールームを持ったメーカーや卸問屋は、年一回程度、展示品をリニューアルします。それまでの展示品や在庫品を安くで販売したり、キズ物などを適正な価格で分けてくれることもあります。一般の人に直接の販売はしない仕組みになっていますので、施工をお願いする会社に相談してみる価値は大いにあると思います。
外国製ストーブはキットと一緒に輸入したほうが、はるかに安くなります。煙突などもセットで、国内で買う値段の半分から三分の一程度の価格だと思います。
国産にも、外国製に劣らず性能が良く、見栄えの良いストーブが増えています。その上大変お手頃な価格です。
天窓は住環境を大変良くしてくれます。北米の天窓は、キットと混載するより国内調達の方が安いようです。
(土地・キット・設備機器・施工費用 以外)
案外掛かるのが、上記以外の別途工事費と諸経費です。
総工費=本体工事費+別途工事費+諸経費
一般的に、本体工事費が75%で、別途工事費+諸経費が25%と言われています。
自己資金と融資を全て土地と本体工事費に注ぎ込んで、完成間近になって更に、金利の高い別の融資を受けたという人の話しも聞きます。
また、完成の直前になって施工業者から予想していない追加請求を受け、大騒ぎになるケースも有るようです。
想定外の追加請求が出ないよう、事前にしっかりと打ち合わせや確認をする必要があります。
* 金額は、地域・条件により相当差異があります
1.地質調査費
5万円前後
既存建物の解体、雑木の伐採・抜根、整地
地盤改良費(地質調査の結果次第 20~数百万円)
2.設計料
別途の場合が多いのですが弊社では施工費用一覧に含みます
3.祭事費用
地鎮祭 2~5万円 地域性があります
上棟式 10~30万円 大勢招いてされるなら +αが必要
4.屋外の給排水・電気工事
一般的に建物から1m以外は施工費用に含まれません。
建物外部(敷地内)の配管・配線は予想以上の金額になり、公道工事が加われば相当高額になります。
弊社では施工見積もりの中に全てを加えて提示致します。
床暖房、家庭内LAN・CATV等の引込工事が必要の場合は見積もりに加えます。
5.照明機器
・照明機器 10~50万円 施主が購入・設置施工の場合
電気工事業者に基本的な照明プランの提示を依頼し、それを元に検討の上、変更や追加をして決める場合は照明機器も施工見積もりに含みます。
・カーテン 10~30万円 施主が購入・設置施工の場合
・エアコン 10~30万円 〃
・ストーブ炉台設置(レンガなど) 3~10万円 〃
(弊社ではストーブ本体と煙突一式は設備機器に含みます)
・外壁等の塗装 (塗料など) 10~20万円 〃
・コーキング (コーキング剤など) 3~10万円 〃
・丸太磨き(サンドペーパーなど) 1~5万円 〃 (マシンカットは不要)
6.外構工事
塀・門扉・駐車場・植栽など
7.各種手続き費用
種類 | おおよその金額 | 備考 |
建築確認申請料 | 3万円前後 | (施工費用に含むようにしています) |
水道負担金 | 5~20万円 | |
電話移設工事 | 保安器2千円 | 派遣工事の場合は1万円 |
建物表示登記手数料 | 5~10万円 | (土地家屋調査士へ) |
土地所有権移転登記手数料 | 2~6万円 | (司法書士へ) |
建物所有権保存登記手数料 | 2~6万円 | (司法書士へ) |
抵当権設定登記手数料 | 2~6万円 | (司法書士へ) |
他にも、銀行事務手数料、ローン保証料、特約生命保険料、特約火災保険料、つなぎ融資利息などを合わせると相当高額になります。
*これらが差し引かれると、実際の融資金額は大幅に目減りします
8.税金
印紙税 | 土地売買契約 | 0.2~1.5万円 |
キット売買契約 | 0.2~1.5万円 | |
工事請負契約 | 1~1.5万円 | |
ローン契約 | 1~2万円 | |
登録免許税 | 土地所有権移転登記 | 評価額×1% |
建物所有権保存登記 | 評価額×0.4% 特例措置あり | |
抵当権設定登記 | 債権額×0.4% 〃 住金は非課税 | |
不動産取得税 | (入居後) | 土地評価額×3% 控除有り |
固定資産税 | (翌年から) | 土地評価額×1/6×1.4% 200㎡超の部分は1/3 |
〃 | 建物評価額×1.4%×1/2 (3年間) | |
都市計画税 | (翌年から) | 土地評価額×1/3×0.3% 市街化区域のみ適用 |
建物評価額×0.3% 〃 |
9.その他
現場への飲料差入れ、引越し費用、近隣挨拶関係費用など
これらの他にも予想外の出費がございます。
まだまだ外にも沢山、色々な工夫の方法があると思います。知恵を絞り、汗をお流し下さい。
大いなるご健闘を祈ります!