持永さんご夫妻+息子さんの、1年半に及ぶ奮闘の断片をお届け致します。
自然に溶け込んだ豊かな生活の舞台を、我が手と気力と余裕で完成され、
いまも悠然として、心豊かな毎日を楽しんでおられます。
南側には雄大な霧島連山。 |
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長年勤務した会社を退職して、成長した子供達を名古屋の家に残し、ご夫婦の生活必需品だけが運ばれてきました。 これからの仮住まいとなるテントに、なんとか納まったようです。 |
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杉の間伐材を数十本皮むきして、あちこちに利用されています。電柱が立てられ、引かれた山の水で簡易のキッチンが完成。お手製のライフラインもお見事。 | |
バスルームの製作中。その右手に連接して、仮設トイレも設置されました。住居部分も様々に工夫されて、湿気や暑さ対策が施されています。 |
「我が家の自慢は基礎」とおっしゃいます。 |
立派な布基礎が立ち上がりました。スタートして半年、季節は秋。上の土手には栗がいっぱい実をつけています。 | |
フィンランドからキットが到着したのは9月30日。 40フィート(12m)コンテナに、角ログと板類などが満載。「下の道路で一本ずつ手下ろしし、2tトラックに積み替えて現地へ搬送。最長11m90㎝の棟木は、途中、端が地面につかえて負傷しました。」 これらの全てを整理するのに4日間。戸や窓などは別便のトラックで後日到着。 |
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頑丈な基礎の上に防水対策をして、シルログ・大引き・根太が敷設され、いよいよ壁となるログが組上げられます。ノッチ(ログの交差部分)には断熱材が巻かれ、ログ上の溝にも断熱材が敷かれます。上下のろぐはダボを叩き込んで緊結してゆきます。 |
壁の組み建ては10月から平成13年2月の寒い時期。テントの上や周りにも霜が降り積もり、溶けて周囲は水浸しに。暖房の効かないテントの中の生活を想像あれ。 | |
「シートを掛けたり外したりに時間が掛かり、作業時間は10時から4時頃までが限度。」 ログの一本だけにノッチ未加工あり。しかし手慣れたもので、鮮やかに刻みを入れます。 |
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待望の”棟上げ” ! 春休みで応援に駆けつけた高校三年の息子さんと二人で、パイプ組みの足場を延長したり移動しながら、チェーンブロックで吊り上げ、とても寒い中の二日掛かりの大仕事だったそうです。 満足そうなお二人の気持ちが伝わってきます。 |
特に雨の多かった年だったようです。垂木掛けと野地板(屋根の下地)張りも空模様と相談しながら。下に置かれた材には、すぐ使うものから永く置かれるものもあり、高床式にして充分に養生されています。手を抜くとカビや腐食の元になり、使えない材もでてきます。 |
南国宮崎とはいえ、えびの市は九州山脈の一端。見るだけならきれいな雪景色も、作業には難敵。 野地板が一枚ずつ張り上がってゆきます。年季の入った父親の仕事を、見よう見真似ながらも体が覚えて、息子さんも自然と腕が上がってきたようです。 |
引っ越してきて丸一年。 きれいに屋根の下地が出来上がりました。フィンランド製の少し硬直した防水のルーフィングを張り、屋根材のアスファルトシングルを一枚ずつ張り上げます。 見事に屋根が完成したのは4月の末。 これまで家を守ってくれたブルーシートもようやくお役ご免です。 |
室内の造作が始まりました。「中のカエル目当てに蛇がテントに侵入するようになり、一部屋を先に完成させて、そちらに移住しました。」 配管、電気配線、天井、仕切り壁、床などが順調に進みます。 |
気候も良くなり、作業の効率も上がってきました。家だけでなく、周辺には花や野菜も植えられ、田植えの準備も整ったようです。 |
戸や窓も上手く納まり、玄関の階段や合併浄化槽も設置されました。 7月には正式に入居。 まだ未完成ながら、8月15日に近隣の方々へのお披露目も兼ねて餅撒きのお祝い。 |
周辺に植えられた実の生る木々や野菜などは、手入れの甲斐あって着実に生長し、収穫の喜びを与えてくれます。生きた鹿や猪も出るこの地には、飾られたかわいい小動物達も良く馴染んでいます。 |
一年半掛けてセルフビルドされたフィンランドパイン角ログのログハウス。 持永さんが心を込めて建てられた立派なログハウスは、持永家の温かで豊かな生活を包み込むログホームになってゆきます。 まだまだ手を加えたいと仰る笑顔には、足を地に着けた自給自足の生活を楽しみながら、ご夫婦ともに元気で明るい毎日の満足と自信がうかがえます。 |