オーナー:長濱さん
場所:新富町追分
材種:地元杉/ハンドカット フルログ
93年1月2日-施工開始
94年12月14日-完成・開店
まろやかなコーヒーを頂きながら、長濱さんご夫妻のお話を伺いました。
新富町の新田原基地正面から、県道44号線を東北に約4km。道を挟んで冨田小学校追分分校の東側にある『 喫茶 菩提樹 (リンデンヴァーム)』。 マスターご夫妻が2年を掛けて手造りされたログハウスが、自然の中に溶け込んで、多くの来客を迎えています。 今年の12月で完成10年となる立派な建物をご紹介致します。 |
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14~15年前に九州各地の杉をなぎ倒した台風。父親と一緒に35年前、自分で植えた杉の惨状。 最初の思い付きは、営林署で伐採をしていた夫人の父の「外国には丸太を積み重ねたログハウスというものがあるそうだ。」との話から。 「風呂の焚き物用にチェーンソーを使ったことはあるけど、経験も知識も全く無しからのスタートでした。」 |
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丸太の山を一週間眺めてから、試し切り。ご夫婦で初めての皮むき。 「建築確認申請の図面用に、分厚くて高価な専門書を買ってきて、首っ引きで参考にしました。全く情報無しの状況でしたから。」 「最初は、川南町でやっていた喫茶店の空き時間を工夫して通ってきましたが、段々と昼間は店を閉めて作業に没頭するようになったですね。」 |
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「図面を自分で描き、1.9mの独立基礎工事が始まったのは、93年の正月。鉄工所の人達7~8人が一週間手伝いに来てくれました。」 「道路側の13mの一段目丸太を載せるのに3ヶ月掛かりました。1年弱で壁が組み上がり、半年で屋根、残りの半年で床・壁・天井といった具合でした。」 |
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「まだ、珍しかったんでしょう。途中、沢山の人達が見に来ました。大工さんや建築のプロの人達ほど、『やめちょったほうがいい』とか『出来るもんか』と言ってましたね。」 「心配してくれた人たちも、完成した時はさすがに驚いていましたよ。当時の人達が今でも来てくれます。」 |
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中央のカウンターから南側は、広々とした吹き抜けのある客席。 至る所に木の素材や自然が活かされて、ご夫妻の細やかな心遣いや温かみが伝わる空間。ロフトにはプロジェクターもある、広々としたソファーの部屋。 メンテナンスの行き届いた建物の内外に、10年を迎える風格と落ち着きを感じます。 自分で植えた杉の木を使って、立派な建築をされたマスターの笑顔に、心癒されて勇気づけられる思いでした。 是非、立ち寄ってみてください。 営業時間は11:00~23:00 定休日は第1第3の水・木。 |